Instagram Instagram

Menu

Menu

Column 2026.08.05

サンエーの人 vol.3|見えない場所の誠実さが、心地よさを支えていく。ー 現場監督・廣瀨陽介

全国の手仕事の現場を撮影・取材している、フォトグラファー・ライターの小黒恵太朗です。

京都で注文住宅を手がけるサンエーが、どのような想いを込めて家づくりに向き合っているのか…。つくり手の横顔を知ることは、より豊かな家づくりへの第一歩になると信じています。

サンエーの家づくりをより身近に感じていただけるような、そんな温度のあるコラムをお届けします。

第3回にご登場いただくのは、現場監督の廣瀨陽介さん。

図面の確認から工程・品質の管理、職人さんたちとの連携まで、サンエーのすべての現場に目を配る要の存在です。あまり表に出ることのない、現場監督という仕事への想いを伺いました。

最初はなりゆきで、建築の世界へ

1994年、京都府亀岡市生まれの廣瀨さん。建築の道を志したきっかけについて尋ねると、「実は、なりゆきなんです。最初に入った会社が、たまたま建築会社だったんですよ」と、照れくさそうに笑います。

現場に立ち、職人さんたちに交ざりながら、建築の一つひとつの工程を体得していきました。

廣瀨さんに転機が訪れたのは、数年前のこと。もっと多様な現場を経験し、建築への視野を広げてみたい。そんな向上心が芽生え始めた頃、信頼する先輩に相談して紹介されたのが、サンエーでした。

「三谷社長と初めて面談したとき、建築の技術的な話よりも、『人としてどうあるべきか』という生き方の話ばかりだったんです(笑)。でも、その価値観にすごく共感して。この人と近い距離感で仕事ができたら、技術面だけでなく、人間としても成長できるはずだと確信しました」

こうして2022年8月、廣瀨さんはサンエーの現場監督として、新たなスタートを切ることになりました。

「前向き」という言葉を、指針にして

廣瀨さんが入社して間もない頃は、慣れない仕事もあり、思い通りに現場が進められないことも多かったそうです。

「正直、『辞めようかな』と考えたときもありました。でも仕事がうまくいかないことを環境のせいにして、自分から投げ出してしまうのは、どうしても許せなかった。『ここで諦めるのはダサすぎる』という、自分なりの意地ですね」

そう自分を奮い立たせ、現場に向かい続けた廣瀨さん。張り詰めていた気持ちが変わったのは、ある出来事がきっかけでした。

ある日の夜、廣瀨さんは遅くまで黙々と現場の片付けをしていました。誰かに伝えていたわけではありません。しかし、そこへ社長の三谷さんがふらりと姿を現し、「お疲れさま」と、声をかけてくれたのだそうです。

「その時に、すごく救われた気持ちになったんです。自分の頑張りを、ちゃんと見てくれている人がいるんだって」

この夜をきっかけに、廣瀨さんはより一層、仕事に打ち込めるようになっていったそうです。そしてサンエーに入って成長したことを尋ねると、迷いなく答えました。

「全部です。仕事への向き合い方も、人間的にも」

中でも大きかったのが、物事を「前向き」に捉えられるようになったこと。サンエーのメンバーが日頃から口にする「前向きな人でいよう」という言葉が、いつしか廣瀨さん自身の指針になっていきました。

「しんどい時こそ、前向きでいること。自分自身がそういう姿勢でいれば、自然と現場も良い雰囲気になりますし、職人さんたちとも前向きな関係が築けるんだと気づきました」

職人さんの一日を、0円にしない

現場監督として大切にしていることを尋ねると、廣瀨さんは少し考えてから、こう言いました。

「職人さんの一日を、絶対に0円にしないことです」

一軒の家が完成するまでには、大工、電気、水道など、何十人もの職人さんが関わります。もし現場監督の段取りが悪く、「この日に来てください」とお願いしていた職人さんが現場で作業できなかったとしたら、その日の稼ぎはゼロになってしまうかもしれません。

「職人さんは、自分の技術と体を活かしてお金を稼いでいるプロフェッショナルです。仕事上の立場の違いはあっても、良い家をつくる上では対等な関係。もしも僕が横柄な態度で仕事をしていたら、いざという時に誰も助けてくれません」

以前、急な仕様変更があり「すぐに手直しをしたい」という場面がありました。廣瀨さんが事情を説明して声をかけると、大工さんやクロス屋さん、電気屋さんが、それぞれの現場の合間を縫って駆けつけてくれたのだそうです。

「本来なら、そのタイミングでわざわざ来なくてもいいはず。それでも『廣瀨の頼みなら』と、スケジュールを調整して仕事をしてくださったんです」

廣瀨さんの実直な姿勢と、積み重ねてきた信頼が、しっかりと実を結んだエピソードでした。

迷ったら、お客様にとって「いい方」を選ぶ

張り詰めた現場の中で、廣瀨さんが判断の軸にしているのは、「迷ったら、お客様にとっていい方を選ぶ」というシンプルなルールです。

現場監督である廣瀨さんがその姿勢を貫いていると、職人さんたちも作業中に迷った際、「こっちの方が良いですよね」と自発的に提案や連絡をくれるようになるのだと言います。一人の妥協のない姿勢が、現場全体の質を静かに、確実に引き上げていくのです。

家づくりは、釘の一本、壁のつなぎ目にいたるまで、職人さんの手仕事で出来上がっていきます。だからこそ、全体を統括する現場監督という仕事には、独特の厳しさと責任が伴います。

「仕事を早く終わらせるだけなら、簡単なんですよ。どこかで妥協して、目をつむれば良い。でも、サンエーはそんな家づくりをする会社じゃないですから」

そう言う廣瀨さんの表情には、確かな誇りがにじんでいました。

現場監督は、基本的に表舞台に立つことはありません。それでも廣瀨さんは、壁の裏側や構造の細部にまで、目を光らせ続けています。

「心残りなく、お客さまにお渡しできる家をつくりたい。自分の中で『今回も100点です』と自信を持って言えるように。それが、いつも掲げている僕の目標です」

現場を支える、影の立役者。廣瀨さんの丁寧な仕事は、完成した家の中に直接形としては見えないかもしれません。しかし、その一軒一軒には、職人さんたちと築き上げた確かな信頼と、心配りがしっかりと宿っています。サンエーの家がいつも明るく、あたたかい理由。その答えの一端に触れたような気がしました。


無料相談会ご予約可能です

会って、話して、知ることから。

初めての家づくり、何から始めたらいいのか・いくらかかるのか…疑問だらけですよね。

実際にいろんな業者さんと話すなど動きながら迷うと、きっとベストな答えが見つかりますよ。

相談してみる