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Column 2026.09.30

北嵯峨エリアの住みやすさ

こんにちは。京都の魅力を伝えるライター・まる きょうこです。

このコラムは、京都市内で土地探しをしている方へ向けて連載しています。京都の各エリアについて、私が歩いて見つけた町の魅力や歴史、楽しみ方を詳しくお届けいたします。

今回ご紹介するのは、嵯峨野の静寂な奥座敷、北嵯峨エリアです。

北嵯峨エリアについて

北嵯峨は、京都市右京区にある嵯峨野の北部に位置する地域です。嵯峨野といえば嵐山とともに人気の観光スポットですが、同じ嵯峨野でも北嵯峨エリアには田園地帯が広がり、のどかな雰囲気が漂っています。

最寄り駅はJR山陰本線の嵯峨嵐山駅。京都駅までは、乗り継ぎなしで15分ほどで到着します。

JR線の南側には嵐電も通っており、四条大宮駅まで約20分と、町なかへ出るにも便利。そのため北嵯峨は、京都の都心部にもっとも近い田園地帯といわれています。

また北嵯峨には古代からの歴史があり、その一部は「歴史的風土特別保存地区」にも指定されています。

田園や周辺の山々を望む貴重な景観が失われないよう、京都市とともに地域を挙げての努力がなされているそうですよ。

北嵯峨では、あちこちに農産物の直売所を見かけます。

野菜だけでなく、卵や米など種類も豊富。スーパーで購入するのとはまた違った食の楽しみが体験できそうですね。

また、広々とした土地を生かし、北嵯峨エリアにグラウンドを持つ高校や大学も多いようです。

のどかな風景のなかで、学生たちものびのびと過ごせそうですね。

北嵯峨の玄関口は静かで利便性も◎

北嵯峨エリアの主な玄関口となるのが、JR嵯峨嵐山駅の北口です。観光スポットが集結している南口は多くの人で賑わいますが、同じ駅でも北口側は静かで落ち着いた雰囲気。

北口から出るとすぐ、丸太町通に出ます。

周辺は閑静な住宅街。道も広々と整備されていて生活しやすそうですね。丸太町通にはコンビニやスーパー、飲食店などが点在し、利便性の高さも感じます。

ここからは丸太町通にあり、JR嵯峨嵐山駅からも近いおすすめの飲食店2軒をご紹介しましょう。

北嵯峨で駅近のおすすめカフェ・レストラン

まずは「コーヒーショップ ヤマモト」。純喫茶好きに人気のカフェで、外観も内装もレトロでクラシカルな雰囲気です。

敷地内にある焙煎小屋で自家焙煎したコーヒーを提供しており、コーヒー好きにもおすすめのお店。また、自家製ローストビーフを使用したローストビーフサンドも人気です。午前11時までのメニューなので、ぜひモーニングに訪れてみてくださいね。

もう1軒は「発酵食堂 カモシカ」。発酵食品にこだわった料理とスイーツを提供しているカフェレストランです。

店名のカモシカは、発酵することを表す「醸す(かもす)」という言葉から名付けたのだそう。

店内には発酵マルシェが併設され、発酵食品を購入して帰ることも可能なので、ご家庭にも栄養たっぷりの食事を取り入れられますよ。

北嵯峨を彩る2つの絶景「大沢池」と「広沢池」

北嵯峨には2つの広大な池があります。大覚寺の庭池である大沢池と、その東側にある広沢池です。いずれも古代に造られた人工池で、北嵯峨の美しい景色を堪能できるスポット。ここでは、それぞれの池の魅力をご紹介しましょう。

平安貴族も月を眺めた「大沢池」

大沢池は、北嵯峨を代表する寺院「大覚寺」の境内にあります。

平安初期、嵯峨天皇の離宮として建てられたのが大覚寺の始まり。嵯峨天皇は、嵯峨野の地をこよなく愛していたのだそうです。

大沢池もまた嵯峨天皇による造営で、弘法大師空海の進言により、中国の名勝「洞庭湖」に見立てたのだとか。

天皇や皇后が過ごしたかつての離宮から眺める池の風景は格別です。また池の周囲を歩けば、空海ゆかりの「五社明神」や、和歌にも詠まれた「名古曽滝(なこそのたき)」などの史跡も楽しめますよ。

中秋の名月に開催される「観月の夕べ」

中秋の名月には、嵯峨天皇が大沢池に舟を浮かべて宴を催していたのだとか。現在も毎年、中秋の日を含む3日間「観月の夕べ」が開催され、大沢池の遊覧や、観月席でのお抹茶を楽しめます。

平安京から大覚寺への道「千代の古道」

離宮であった大覚寺には、多くの貴族や文化人たちも訪れていました。彼らが歩いた平安京からの道のりは、「千代の古道」と名付けられています。

千代の古道にはところどころ石標が建っているので、それを目印にお散歩するのも楽しいですよ。

「千代の古道」の文字とともに、当時の人々が詠んだ和歌も刻まれており、優美な平安情緒に浸れます。

日本の原風景を見渡す「広沢池」

広沢池は、渡来人の秦氏が造った農業用の溜め池がルーツと伝わっています。また平安時代中期には、宇多天皇の孫にあたる僧侶がこの地に「遍照寺」を創建しました。現在の広沢池の姿は、遍照寺の庭池として築堤されたものが基になっているのだとか。

広沢池は、奈良県の「猿沢の池」と大分県の「初沢池」とともに、日本三沢の一つとされています。また、農林水産省の『ため池100選』にも選出されています。古代から広沢池の景色は人々を魅了し、ここで多くの和歌や俳句も詠まれてきました。

さらに池だけでなく、周辺一帯が景観保護地区や歴史的風土特別保存地区に指定されており、日本の原風景を残している貴重なスポット。

この景色が日常となる北嵯峨の暮らしは、なんとも贅沢ですね。

五山の送り火と灯籠流し

五山の送り火の一つ「鳥居形」は、北嵯峨の曼荼羅山で点火され、広沢池から眺めることができます。また、当日は「灯籠流し」も行われます。

広沢池の湖面に灯籠が浮かべられ、送り火とともに幻想的な風景を味わえますよ。

冬の風物詩「鯉揚げ」

広沢池では、12月になると池の水を抜く「池干し」が行われます。同時に、池で養殖された魚などが水揚げされ、「鯉揚げ」と呼ばれて北嵯峨の冬の風物詩となっています。

都市部に暮らしていたら、こうした風景はなかなか見る機会がありません。お子様にとっても貴重な体験と思い出になるのではないでしょうか。

池の周辺では水揚げされた鯉や鮒、えびなどが量り売りで販売されます。地域の人々が購入するほか、料亭も仕入れに来るのだとか。

毎年冬には、広沢池で水揚げされた魚を食卓に…。そんな楽しみも増えそうですね。

広沢池周辺に残る古墳群

広沢池の原型を造ったとされる秦氏は、北嵯峨を開拓した氏族でもあります。広沢池の周辺には、秦氏のものと伝わる古墳が数多く残されており、歴史のロマンを感じられます。

広沢池の南側にある「稲荷古墳」もその一つ。

古墳の上にお社があり、お参りがてら立ち寄れるスポットです。

北嵯峨に建てられた光源氏の別荘「清凉寺」

大沢池のある大覚寺とともに、北嵯峨を代表する古刹が「清凉寺」です。

清凉寺は、平安時代の貴族で光源氏のモデルとされる源融(みなもとのとおる)が、嵯峨天皇から離宮「嵯峨院」の一部を賜り、山荘としたことが始まりとされています。

本堂に釈迦如来立像が安置されていることから、「嵯峨の釈迦堂」として地域の人々に親しまれている寺院です。

伝統芸能「嵯峨大念仏狂言」

清凉寺の境内には、狂言堂があります。

毎年春と秋に、鎌倉時代から伝わる「嵯峨大念仏狂言」の公演がここで行われるのだそうです。嵯峨大念仏狂言は、「壬生大念仏狂言」「千本ゑんま堂大念仏狂言」とともに京都三大念仏狂言として知られ、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

地域の人々を中心とした「嵯峨大念仏狂言保存会」によって受け継がれており、会員には中高生もいるのだとか。地域の学校では、狂言堂での体験学習の機会などもあるのだそう。

こうした貴重な伝統芸能に触れられるのも、北嵯峨の魅力の一つですね。

居心地のいい清凉寺の和カフェ「バガヴァーン」

境内を歩き疲れたらぜひ立ち寄っていただきたいのが、和カフェの「バガヴァーン」。

仁王門を入ってすぐ横にあり、ランチやスイーツをいただけます。

外観は甘味処といった雰囲気ですが、店内はアンティークな調度品で整えられ、どこか洋風の趣もあるカフェ。

店内奥の窓からは、境内の庭の風景を眺められます。訪れたときは新緑の季節で、緑豊かな景色に癒されました。

「自然豊かな北嵯峨の風景を、自宅からこんなふうに眺めてみたい」そんなイメージも生まれてきそうな、居心地のいいカフェです。

文豪にも愛された豆腐店「嵯峨豆腐 森嘉」

清凉寺の門前には、老舗豆腐店「嵯峨豆腐 森嘉」があります。

江戸時代後期の創業で、川端康成や司馬遼太郎などの文豪たちにも愛された名店。

嵯峨豆腐は絹ごし豆腐と木綿豆腐を掛け合わせたような食感が魅力です。店内の奥で製造した豆腐を販売しており、作り立ての美味しさを味わえます。飛龍頭(ひろうす)や油揚げなど、店頭のベンチでいただける商品もあるので、気軽に立ち寄ってみてください。

北嵯峨の野菜と森嘉の豆腐があれば、ご家庭で美味しい湯豆腐も楽しめそうですね。

北嵯峨エリアで、大切な人と特別な思い出を育む暮らしを

今回は、北嵯峨エリアの魅力やおすすめスポットをご紹介しました。

都市部に近い利便性を保ちながら、平安の面影を残す静かな田園地帯、北嵯峨エリア。

広大な池の風景や貴重な伝統芸能に触れ、北嵯峨ならではの食を楽しむなど、この土地でしか味わえない体験が盛り沢山の地域です。北嵯峨エリアでの暮らしは、ご夫婦、そしてお子様とともに、特別な思い出を積み重ねられそうですね。

本記事でご紹介したスポットを参考に、ぜひ北嵯峨エリアを歩いて、この地域の魅力を確かめてみてください。


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