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Column 2025.12.17

貴族にも愛された風光明媚な桂エリア|この街の住みやすさは?

こんにちは。京都の魅力を伝えるライター・まる きょうこです。

この連載コラムでは、京都市内で土地探しをしている方へ向けて、私が歩いて見つけた京都の各エリアにまつわる歴史や楽しみ方を詳しくお届けしています。

今回ご紹介するのは、自然豊かで閑静な町並みが魅力の桂エリアです。

[ 目次 ]

桂エリアについて

「桂」は京都市西京区、桂川の西岸にあるエリアです。

桂という地名は、日本書紀にも出てくる古地名「葛野(古い読み方でかずらの・かつらの)」に由来するといわれています。桂川もかつては葛野川と呼ばれていたのだとか。また、楓の木(=カツラ科)が多く生息していたから、という説もあるそうです。

貴族も愛でた風光明媚な桂

自然豊かな桂エリアは、古代から皇族や貴族に愛され、別荘地とされてきました。

現在も桂川周辺から雄大な景色を眺められます。

「桂」や「桂川」は、平安貴族が詠む和歌の歌枕にもなりました。観月の場所としても知られ、「月」とセットで歌を詠むことも多かったのだそうですよ。

広々とした河川敷には、公園やグラウンドもあり、お子様とのお散歩にもおすすめです。

また水源の豊かな桂エリアには、貴族の農園である「荘園(しょうえん)」も多く存在しました。荘園の名前は、現在も地名として残されています。

代表的なのが下桂荘(しもかつらのしょう)。桂川街道の大きな交差点に「下桂」の名前が見られます。

ほかの荘園はこの下桂を中心に生まれ、上桂や桂東など、下桂荘との位置関係を表す名前が付けられていったのだそうです。

西国における交通の要所

桂エリアには旧山陰道が通り、昔から丹波や山陰地方への交通の要所でもありました。

現在、桂大橋が架かっている場所は、昔は「桂の渡し」と呼ばれる船の乗り場だったのだとか。参勤交代の大名行列も、桂の渡しを利用していたそうですよ。

桂大橋のたもとには、この地を通行する人々を照らした常夜灯も残されています。

利便性も高い桂駅

桂エリアは景観が美しいだけではありません。阪急京都線桂駅は、特急列車の停車駅。京都河原町駅までは10分程度、大阪の梅田駅にも乗り換えなしで40分弱で到着します。

阪急嵐山線も乗り入れており、嵐山駅までは7分ほど。観光スポットへふらっと遊びに行くこともできます。

桂駅には、「ミュー阪急桂」という5階建てのショッピングモールがあり、24時間営業のスーパーやドラッグストア、書店、カフェなどが揃っていて便利です。

また、近隣のJR桂川駅には大型ショッピングモール「イオンモール京都桂川店」もあります。映画館も併設しているので、休日は家族でのおでかけに利用できますね。

地域の伝統を守る桂エリアの取り組み

桂エリアでは、地域の伝統を継承する活動も盛んです。ここでは、桂独自の伝統文化と、その取り組みについて見てみましょう。

桂川流域で活躍した桂女(かつらめ)

桂川流域には、「桂女」と呼ばれる女性たちが存在していました。

桂女は神功皇后(じんぐうこうごう)に仕えた女性がルーツとされ、白い布を頭に被り、桂川の鮎や飴を売って歩いたほか、時代によっては巫女や産婆などの役割も果たしていたそうです。

桂女の家系は代々続き、明治期までは十軒以上の家が残っていたのだとか。その多くは大八木姓で、現在も上桂周辺に「大八木」の苗字が見られます。

桂女の姿は、毎年10月に行われる京都の時代祭で再現されています。また近年、下桂地区で開催されるようになった桂女祭でも、桂女の装束で舞を披露する様子を楽しめますよ。

桂の伝統を継承する「桂六斎念佛保存会」

地域の取り組みの拠点となっているのが、桂六斎念佛保存会です。

桂六斎念佛保存会は、桂女祭を開催するとともに、地蔵寺(桂地蔵)に伝わる桂六斎念佛も継承しているそうです。

六斎念佛は、お囃子とともに念仏を唱えながら踊る民俗芸能。空也上人(くうやしょうにん)を起源とし、京都のあちこちで行われていますが、桂六斎念佛はとりわけ演目が多く衣装も華やかなのだとか。桂六斎念佛には子どもから大人までが参加し、地蔵盆の時期を中心に上演しているそうです。

また2013年に製造中止となっていた、神功皇后の伝説に基づく地域の名物「かつら飴」も、桂六斎念佛保存会が復活させました。閉店した「桂飴本家養老亭」から製法を譲り受け、桂六斎念佛維持の寄付に対する返礼品として製造しているそうです。

地域の伝統を守るこうした取り組みからは、桂エリアに住む人たちの温かな交流も感じられますね。

新鮮な京野菜が手に入る桂での暮らし

かつて荘園が多く存在した桂では、現在も農業が営まれ、田畑が点在しています。

地域の府立高校・桂高等学校には農業系の専門学科もあり、「京の伝統野菜を守る研究班」を中心に、京野菜を育てる取り組みをしているのだとか。桂発祥の桂うりをはじめ、堀川ごぼうや九条ネギなど、14種類の京野菜を校内の農場で育てているそうです。

全国的に生産農家が減少しつつある今、農業の担い手が育つ地域は心強いですね。

桂の町を歩いていると、ところどころに野菜の直売所を見かけます。

新鮮な野菜が手に入る町では、毎日の食卓も楽しくなりそうです。

蕎麦と日本料理の「隆兵そば」

桂では、地域の食材を生かした飲食店も豊富です。

桂大橋の近くにある「隆兵そば」は、蕎麦と日本料理のお店。良質な井戸水を使用した蕎麦と、地元の京野菜や川魚を使った料理を堪能できます。

隆兵そばの店主さんは、桂六斎念佛保存会の会長も務め、行事では太鼓打ちをしているそうですよ。

桂ならではの土地の恵みを生かした隆兵そばの料理、ぜひ味わってみてください。

桂エリアで訪れたい「桂離宮」と周辺スポット

桂離宮は、江戸時代初期に造られた八条宮家(のちの桂宮家)の別荘です。

平安時代に藤原道長が「桂山荘」を建てたとされるこの地に、八条宮家初代の智仁親王(としひとしんのう)が簡素な建物を造営。智仁親王自ら「瓜畠(うりばたけ)のかろき茶屋」と称したその建物は、桂離宮の書院群の一つである「古書院」の原型となりました。

その後、建物や庭園の増築・改修を経て「桂離宮」となり、現在は宮内庁が管理しています。

建築家ブルーノ・タウトが「泣きたくなるほど美しい」と感激した、桂離宮の建築美。建物と庭園が見事に調和した景観からは、これから建てるお住まいのインスピレーションも得られるのではないでしょうか。

桂離宮と合わせて立ち寄りたい老舗和菓子店「中村軒」

明治16年に「饅頭屋」として創業した中村軒。山陰街道を往来する人々の間で「かつら饅頭」が評判となり、昭和天皇の皇后のご実家・旧久邇宮(くにのみや)家御用達のお菓子になったほか、昭和天皇も行幸の際に召し上がったのだそうです。

また当時、周辺の田畑で農作業をする人に届けていたという「麦代餅(むぎてもち)」も名物の一つ。お餅の代金として麦と交換したため、その名前が付いたのだとか。農作業中の間食として重宝されていたそうですよ。

お菓子はお土産に購入できるほか、木の温もりを感じられるゆったりとした店内でもいただけます。桂離宮のすぐ南側にあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

藤原氏創建と伝わる春日神社

桂離宮の南西には、春日神社が鎮座しています。この方角の先には、奈良の春日大社があるのだそう。

春日神社の由緒は不明ですが、桂離宮の地に元々藤原道長の別荘「桂山荘」があったことや、春日大社が藤原氏の氏神であったことから、藤原一族の誰かが創建したといわれています。

こぢんまりとした境内ですが、秋にはイチョウやカエデなどの紅葉が美しい神社です。ベンチもあり、子連れでお散歩に来ている人の姿も見かけましたよ。

桂エリア周辺のおでかけスポット

桂周辺には、嵐山のほかにも京都らしい風情あるスポットが集まっています。いくつかご紹介しますので、休日のおでかけの参考にしてくださいね。

洛西地域を守る神様「松尾大社」

古代、松尾山への信仰から始まり、桂を含む洛西地域の氏神として大切に祀られてきた松尾大社。初詣にも人気のスポットです。

ご祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)と市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。大山咋神は松尾山の神様であると同時に、お酒の神様としても信仰されています。境内には「お酒の資料館」もあり、酒造りの歴史を学べますよ。

春には氏子たちによる松尾祭が盛大に行われます。なかでも桂川をお神輿が並んで渡る「船渡御(ふなとぎょ)」は迫力満点。桂で暮らす際には、ぜひ楽しんでいただきたい行事です。

苔が美しい「西芳寺」

西芳寺は聖徳太子の別荘から始まり、禅僧で作庭家の夢窓疎石(むそうそせき)によって南北朝時代に復興した、歴史深いお寺。境内の建築や庭園は、後の寺院にも大きな影響を与えたとされ、その歴史的価値から世界遺産に登録されています。

境内は約120種類の苔に覆われており、「苔寺」の名で知る人も多いのではないでしょうか。苔の庭は、荒廃と再興を繰り返した西芳寺の長い年月のなかで、自然と造られていったのだそうです。

緑の苔に包まれた、静かで穏やかな風景が広がる西芳寺。日常から離れ、心洗われるような場所が近隣にあるのは嬉しいですね。

鈴虫の音色に癒される「華厳寺(けごんじ)」

華厳寺は、一年中鈴虫が鳴くことから「鈴虫寺」と呼ばれているお寺です。座禅中に住職が鈴虫の音色によって悟りを開いたことが、鈴虫を飼育するようになったきっかけなのだとか。

最近では、鈴虫が鳴くなかで住職のお話を聞く「鈴虫説法」が、女性を中心として人気です。禅宗に伝わる茶礼に基づき、お茶とお菓子も付くそうですよ。

華厳寺のもう一つの見どころが、わらじを履いた「幸福地蔵菩薩」。わらじを履いているのは、お地蔵さまが救いを求めている人のところまで行き、手を差し伸べるためだとか。一つだけ願いを叶えてくださるそうなので、お願いごとを絞って訪れましょう。

伝統と自然の恵みが息づく桂エリアでゆとりある暮らしを

今回は、桂エリアの魅力やおすすめスポットをご紹介しました。

自然豊かで、昔から多くの人に愛されてきた桂の地。現在は交通や買い物にも便利で、暮らしやすい土地であることがわかりました。地域のつながりも温かいこのエリアなら、自然や伝統文化を味わいながら、穏やかでゆとりのある暮らしができそうですね。

本記事でご紹介したスポットを参考に、ぜひ桂エリアを歩いて、この地域の魅力を確かめてみてください。

この地域で暮らしてみたいと思った方は、ぜひサンエーにお問い合わせください。不動産情報と建物のプランニングを同時に提案いたします。

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