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Column 2026.08.22

岡崎エリアの住みやすさ

こんにちは。京都の魅力を伝えるライター・まる きょうこです。

このコラムは、京都市内で土地探しをしている方へ向けて連載しています。京都の各エリアについて、私が歩いて見つけた町の魅力や歴史、楽しみ方を詳しくお届けいたします。

今回ご紹介するのは、京都屈指のカルチャースポット、岡崎エリアです。

岡崎エリアについて

岡崎は左京区の南端に位置し、東山の山麓と鴨川に挟まれた地域です。国の「都市景観100選」にも選ばれた、自然豊かで広々とした空間が魅力のエリア。また、美術館や図書館、劇場などの文化施設が集まり、文化の発信地としても知られています。

最寄り駅は、京都市営地下鉄東西線「東山」駅と、京阪電鉄「神宮丸太町」駅。京都市バスや京都バスも周辺を通っており、複数の交通手段を選べます。

文教地区のため一見商業施設が少ないようにも感じますが、24時間営業のスーパーフレスコ岡崎店や、イオンスタイル東山二条店など、日常に便利なスーパーも揃っていますよ。

近代京都の復興を担った地域

岡崎が文化ゾーンとして発展したきっかけは、明治時代にさかのぼります。

明治維新で日本の首都が東京に移ると、京都は人口が約3分の1に減少するなど、衰退の危機に直面しました。当時、京都復興のプロジェクトとして建設されたのが、岡崎エリアを流れる琵琶湖疏水です。

琵琶湖の水を京都に引き入れたことにより、水源の確保だけでなく物流や水力発電が可能となり、京都の近代化に大きく貢献しました。

また1895年には、岡崎エリアで内国勧業博覧会が行われました。内国勧業博覧会は、産業振興のための国家イベント。京都は平安遷都1100年を記念する事業として、この博覧会の誘致に成功したのです。

開催地に岡崎が選ばれた理由は、当時このエリアが広大な農地となっており、パビリオンの建設に適していたからなのだそう。

内国勧業博覧会の跡地は岡崎公園として整備されたほか、美術館や図書館、動物園などの文化施設が建ち並び、文化ゾーンとして生まれ変わりました。

また、岡崎エリアのシンボルである平安神宮も、京都の歴史と復興の祈りを後世に伝えるためにと、博覧会と同時期に創建されたものです。

10月には、京都御所から平安神宮までを時代行列が練り歩く「時代祭」が行われます。岡崎エリアで暮らすなら、毎年楽しみなイベントの一つとなるに違いありません。

名士の邸宅が建ち並ぶ高級住宅街の一面も

琵琶湖疏水により豊かな水源が生まれた岡崎エリアには、明治以降、多くの著名人が邸宅や別荘を建てました。そのため、岡崎には高級住宅街のイメージも定着しています。

なかでも有名なのが、第3代・第9代の内閣総理大臣を歴任した山縣有朋の邸宅「無鄰菴」。

歴史的に重要な「無鄰菴会議」の場となった洋館や、名作庭家・七代目小川治兵衛による日本庭園などが敷地内に現存しており、事前予約で見学が可能です。

山縣有朋が庭を眺めた部屋でお抹茶もいただけるので、かつての名士が味わった岡崎エリアでの優雅な暮らしを、きっと体感できますよ。

平安時代は院政の中心地だった

岡崎エリアの現在の姿が作られたのは明治期以降ですが、さらに昔はどのような土地だったのでしょうか。

岡崎は比叡山から流れる白川の扇状地にあたり、平安時代は「白河」と呼ばれていました。平安時代末期には、この地に「白河殿」が建ち、院政が行われた歴史があります。

また、天皇や中宮の発願で「勝」の字がつく寺院が6つ建てられ、「六勝寺」と呼ばれていたのだそう。疏水沿いには、かつてそれらの寺院が存在していたことを示す石碑が建っています。

また六勝寺のうち、白河天皇によって建立された法勝寺の一部は、現在の京都市動物園に位置していたのだとか。

京都市動物園は、可愛い動物たちに出会えるだけでなく、小さな子どもが楽しめるミニ遊園地もあります。現在観覧車が建つあたりには、法勝寺が有していた高さ80メートルほどの巨大な八角九重塔が建っていたのだそう。

歴史と重ね合わせながら園内を歩けば、ひと味違った楽しみ方もできますね。

岡崎疏水と暮らす楽しみ

岡崎では、美しい琵琶湖疏水が身近にある暮らしを楽しめます。ここからは、岡崎エリアを流れる琵琶湖疏水「岡崎疏水」の楽しみ方をご紹介しましょう。

疏水散歩で四季を楽しむ

岡崎疏水沿いでは、桜並木や紅葉など、季節ごとに移り変わる景観を楽しめます。疏水の先に見える東山の山並みや、平安神宮の大鳥居、周辺のレトロ建築などとの調和も見事です。自然と文化を同時に体感できるお散歩コースが日常になるなんて、とても贅沢ですね。

お散歩の合間に、疏水沿いのカフェなどに立ち寄るのもおすすめです。

「mement mori(メメントモリ)」では、疏水とその周辺の景色を眺めながら、ゆったりとしたお茶やランチの時間を過ごせます。

こぢんまりとした静かなカフェなので、ご夫婦で訪れるのはもちろん、一人でも過ごしやすい空間ですよ。

朝の疏水沿いを歩くなら、「早起き亭うどん」に立ち寄ってみましょう。

製麺所のガレージにある屋台風のお店で、早朝から昼まで営業しており、「朝うどん」を楽しめることで人気です。茹で立ての美味しいうどんをリーズナブルにいただけます。

十石舟で疏水を巡る

春には、船上から疏水沿いの桜を眺められる「岡崎さくら回廊十石舟めぐり」が開催されます。

南禅寺船溜り乗船場から夷川ダムまで、往復約3キロを十石船が運行し、岡崎エリアの春の風物詩として人気です。大人はもちろん、疏水を船で渡る体験は、お子様にとっても楽しい思い出になるのではないでしょうか。

疏水の歴史に触れる

琵琶湖疏水に関連した多くの施設が、2025年に国宝や重要文化財に指定されました。岡崎エリア周辺には、琵琶湖疏水の重要な施設が集まっており、その歴史に触れる楽しみもあります。

まずは、琵琶湖疏水の役割や歴史を伝える「琵琶湖疏水記念館」へ訪れてみましょう。

入場はなんと無料で、琵琶湖疏水に関する貴重な資料の数々が展示されているほか、ジオラマや映像などもあり楽しく学べます。

春と秋には「そすいカフェ」の営業もあり、コーヒーや軽食を楽しめますよ。店内利用のほか、疏水や噴水を眺められる屋外テラスも心地よくおすすめです。

もう一つ歴史的に面白いスポットが、夷川発電所のある夷川船溜。

水辺に建つレンガ造りの発電所が独特の景観を形成し、映画や小説の舞台にもなっています。

琵琶湖疏水が完成した明治23年、この場所で竣工式が行われました。

前日の竣工夜会では、船溜の前に祇園祭の鉾が並び、如意ヶ嶽には大文字が灯ったのだそうです。京都の二大イベントが一度に行われたかのような情景を想像すると、琵琶湖疏水の建設が当時の人々にとって、どれだけ大きな喜びであったかがわかるような気がしますね。

また当時、琵琶湖疏水はプールとしても利用されていました。なかでも夷川船溜は本格的な水泳講習が行われる場となり、多くのオリンピック選手を輩出したという興味深い歴史も残されています。

岡崎エリアで文化スポット巡り

さまざまな文化に触れられる岡崎エリアでは、大人も子どもも豊かな感性を育めそうですね。ここでは、本とアートを中心に、岡崎エリアで巡りたい文化スポットをご紹介します。

岡崎に集結するアートスポット

岡崎エリアには、個性豊かな美術館が集結しています。

代表的なのが「京都市京セラ美術館」。

昭和3年に「大礼記念京都美術館」として開館し、ルーブル国立美術館の作品を展示するなど、日本における海外展の先駆けとなりました。日本の公立美術館としては、もっとも古い建物が現存し、レトロ建築としても人気です。

2020年には、歴史的に重要な建築を保存しつつ、大規模リニューアルが行われました。現代美術を展示する「東山キューブ」が増設され、おしゃれなミュージアムショップやカフェも新たにできています。ご夫婦でのデートにぜひ立ち寄ってみてください。

「京都国立近代美術館」も、京セラ美術館と並び岡崎エリアを代表する美術館です。

東京にある「国立近代美術館」の分館として1963年に開館し、20世紀の国内芸術家たちの作品を中心に展示しています。

4階には展望ロビーがあり、岡崎エリアの風景と東山連山を一望できますよ。

岡崎エリアには、公立だけでなく私立の美術館もあります。

「細見美術館」は、実業家で日本美術コレクターの細見古香庵をはじめとする、細見家三代の美術コレクションを展示する私立美術館です。

江戸時代の天才絵師・伊藤若冲の作品を多く所蔵していることでも知られ、館内には若冲の魅力を味わえるミュージアムカフェ「JAKUCHU CAFE」も。

建物は京町家をイメージした現代建築で、吹き抜けの構造が独特のアート空間を生み出しています。個性ある家づくりの参考にもなるかもしれないですね。

読書好きにおすすめのスポット

岡崎エリアで読書を楽しむなら、以下のスポットを訪れてみてください。

まずは「京都府立図書館」。日本初の公立図書館「京都集書院」を前身とする、歴史ある図書館です。

約137万冊(令和6年度末時点)の資料を所蔵するだけでなく、京都府内の市町村立図書館が所蔵する本もこちらで受け取れます。

また、関西近代建築の父と呼ばれた武田五一氏による建築も魅力です。館内は改修されていますが、外壁は建設当初の面影を残しています。

平安神宮の西側にあるコンサートホール「ロームシアター京都」の1階には、「京都岡崎 蔦屋書店」が入っています。

蔦屋書店はライフスタイルの提案をコンセプトにしており、本だけでなく雑貨も多く取り扱っています。京都岡崎店は、アートや日本文化がテーマとのことで、文化の発信地らしい品揃え。店内を巡りながら、岡崎エリアでの素敵な暮らしをイメージできそうですね。

2階にはカフェ&レストランの「京都モダンテラス」も入っています。広々とした空間なので、ご家族でも過ごしやすいですよ。

洗練された文化の発信地、岡崎エリアで五感豊かな暮らしを

今回は、岡崎エリアの魅力やおすすめスポットをご紹介しました。

疏水沿いを散歩して季節の移り変わりを感じたり、美術館でアートと出会ったり。豊かな自然と洗練された文化施設がすぐそばにある岡崎エリアでは、やすらぎと心地よい刺激を味わう暮らしができそうですね。

本記事でご紹介したスポットを参考に、ぜひ岡崎エリアを歩いて、この地域の魅力を確かめてみてください。


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