梅小路エリアの住みやすさ

京都の魅力を伝えるライター。
千葉県出身。20代の頃から京都に通い詰め、2016年に京都市左京区へ移住しました。
京都の歴史と魅力を伝える執筆活動と、自伝・自叙伝の執筆サポートをしています。
こんにちは。京都の魅力を伝えるライター・まる きょうこです。
このコラムは、京都市内で土地探しをしている方へ向けて連載しています。京都の各エリアについて、私が歩いて見つけた町の魅力や歴史、楽しみ方を詳しくお届けいたします。
今回ご紹介するのは、京都駅に近く、市内屈指のレジャースポットが揃う梅小路エリアです。
梅小路エリアについて

梅小路は、京都駅の西側で広大な梅小路公園を有するエリアです。京都水族館や京都鉄道博物館などの施設が集まり、京都市内屈指のレジャースポットとしても注目されています。
2019年には、梅小路公園の前にJR梅小路京都西駅が新設され、交通もより便利になりました。

JR京都駅までは山陰本線でたったの3分で、歩いても15分ほど。各方面へのアクセスに便利なだけでなく、京都駅に隣接したデパートや大型ショッピングモールでのお買い物も可能です。
梅小路エリアは都の玄関口
梅小路という地名は、かつて平安京に存在した通り名「梅小路通」が由来です。通り沿いには梅の木が植えられていたのだそうで、江戸時代以降は付近一帯が梅小路村と呼ばれていました。
梅小路公園内にはこの地名にちなみ、「梅こみち」と呼ばれる梅林が作られています。

梅が咲く季節には、ぜひ園内を歩いてみてください。
平家も注目した交通の要所
JR梅小路京都西駅のそばには、『是より洛中荷馬口付のもの乗へからす』(荷物を積んだ馬を引く者は、この先で馬に乗ったまま通行してはならない)と書かれた石碑が建っています。

この石碑は、都への入口の一つ「丹波口」を示すものです。梅小路エリアは、都へ入る交通の要所であったため、平家の棟梁・平清盛もこの地に邸宅を築きました。梅小路公園内には、清盛の邸宅があったことを伝える「西八条第跡」の看板があります。

外国からの使節をもてなした鴻臚館
梅小路エリアには古代、外国からの使節をもてなす「鴻臚館」が存在していたのだそうです。都の玄関口は、海外との交流の窓口でもあったのですね。

鴻臚館は、平安京のメインストリートであった朱雀大路の東西に建っていました。そのうちの一つ、西鴻臚館の跡地は現在「ホテルエミオン京都」となっています。
館内にはショップやレストランを併設しており、宿泊客以外の人でも気軽に立ち寄れます。1階にあるカフェ「笹屋德田伊織 別邸」は洗練された雰囲気で、ご夫婦でゆったりと過ごすのにもぴったりの場所。

老舗和菓子店「笹屋伊織」による和カフェで、和菓子の材料を使った料理や和のアフタヌーンティーなど、斬新なメニューを味わえますよ。
陰陽師ゆかりの梅林寺とジジバイ講
梅小路エリアには、陰陽師・安倍晴明を祖とする土御門家が屋敷を構えていたという歴史もあります。
梅林寺は、土御門家代々のお墓がある寺院。境内には、陰陽師が天体観測に使用していた天球儀の台石も残されています。

また梅林寺は、「ジジバイ講」という独自の行事が伝わる寺院でもあります。梅小路村の旧家の人々が「ジジバイ」と唱えながら青竹の束で丸太を叩き、その年の豊作を願ったのだとか。
現在この行事は休止中ですが、無形民俗として京都市の登録文化財にも指定されています。地域の文化を伝える貴重な行事として、ぜひ復活して欲しいものですね。
物流の拠点からレジャーの拠点へ
現在の梅小路エリアには、梅小路公園を中心にレジャー施設が集まっています。
京都駅に近いこの地域は明治以降、貨物の拠点として活用されてきました。しかし時代の流れとともに機関車の操車場などが縮小され、跡地が京都市民の憩いの場として生まれ変わりました。
ここでは、梅小路エリアの代表的なレジャースポットをご紹介しましょう。
都市部で自然を楽しめる「梅小路公園」

1995年、都心部の緑化を目的として、梅小路貨物駅の跡地に作られたのが梅小路公園です。
敷地は約13.7ヘクタールで、東京ドーム約3個分。市街地の公園としてはかなりの広さですね。災害時には避難場所に指定されており、京都駅周辺へ訪れる人や、このエリアに住む人の安全を守る公園でもあります。
内陸型水族館のさきがけ「京都水族館」

2012年には、梅小路公園に京都水族館がオープン。内陸型の水族館として、日本で初めて人工海水を使用したことでも話題になりました。
人気のペンギンやイルカショーなどを楽しめるほか、京都ならではの展示が豊富なのも魅力です。
鴨川のオオサンショウウオを展示する「京の川」エリアや、京都府北部地域の海を再現した「京都の海」、京都に生息する淡水生物を集めたブース「山紫水明」など、京都特有の水のいきものたちの姿を楽しめます。
鉄道の歴史を伝える「京都鉄道博物館」

続いてオープンしたのが、京都鉄道博物館。梅小路公園には元々、蒸気機関車の歴史を伝える「梅小路蒸気機関車館」がありました。この施設が、国内最大級の規模を持つ鉄道博物館としてリニューアルされたのが、2016年のことです。
館内には、国の重要文化財である「扇形車庫(蒸気機関車を収容する放射状の車庫)」や、日本最古の木造駅舎として活躍していた「旧二条駅舎」が保存され、歴史的な見どころが豊富です。
また、「鉄道シミュレータ」で運転士気分を味わえたり、本物の蒸気機関車「SLスチーム号」に乗車できたりと、本格的な鉄道体験が盛りだくさん。子どもから大人まで、家族で夢中になれるスポットです。
京都の食文化を支え続ける京都市中央市場
梅小路エリアには、昭和初期から続く京都市中央市場(京都市中央卸売市場第一市場)もあります。京都における青果物や水産物などの流通拠点として活躍してきた市場です。
一般の人にはあまり馴染みのない市場ですが、近年は「水産棟見学エリア」や「京の食文化ミュージアム・あじわい館」がオープンし、せりの様子を見学したり、食文化を体験できるスポットに変わりました。お子様にとっては社会科見学にもなりますね。

市場の食材を試食したり購入できたりするイベントも随時行われているので、ぜひ訪れてみてください。
周辺には、市場の新鮮な食材を使った飲食店もあります。
「京・朱雀 すし市場」もそのひとつ。市場で仕入れたネタを回転寿司で気軽に楽しめるお店です。

早朝から働く人のため、朝から営業している飲食店が多いのも市場ならでは。京都市中央市場の周辺には、モーニングで人気のお店も豊富です。休日はご家族で、いつもと違う朝ごはんを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
老若男女の憩いの場「梅小路公園」の楽しみ方
梅小路エリアで暮らすなら、無料で誰でも立ち寄れる梅小路公園を存分に活用したいものですね。園内には、自然や文化スポットなどさまざまなエリアが用意されています。ここでは、いくつかの楽しみ方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
家族でピクニックを満喫する

京都水族館の向かいにある「芝生広場」は、3ヘクタールという広々とした敷地で、芝生の上に広がる青空が気持ちのいい空間。ピクニックにもぴったりの場所です。
レジャーシートを敷いてお弁当を食べたり、思いきり身体を動かして遊んだり。ご家族でのびのびと過ごせます。
遊具が好きなお子様には、「すざく夢広場」もおすすめです。

長さ14メートルの滑り台やロープ型のジャングルジムなど、京都市内でも最大級の遊具が揃い、たくさんの親子連れで賑わう人気スポットです。
木陰と水辺で涼を感じる
暑い日には、園内にある「河原遊び場」へ訪れてみましょう。

100メートルほどの人工の小川で、小さなお子様も安全に遊べる水辺です。
河原遊び場の周辺には、「いのちの森」が広がっています。自然環境の再生のため、太古の自然が残る下鴨神社・糺の森を目標に作られた森なのだそうです。

緑に囲まれた遊歩道は、見た目にも涼やか。ひんやりとした木陰のなかをご夫婦でウォーキングしたり、お子様と森に生息する植物や鳥、虫などを観察したりして楽しめます。
日本庭園で季節ごとの景色を愛でる
梅小路公園には、京都らしい風景をしっとりと楽しめる「朱雀の庭」もあります。
朱雀の庭は平安遷都1200年を記念し、京都の歴史のなかで培われた作庭技術を駆使して作られた日本庭園です。四季折々の景色を楽しめるスポットで、紅葉の時期に開催される夜のライトアップも見事ですよ。

朱雀の庭に面したレストラン「ボタニカジヤ」では、優雅な景色とともに京野菜をふんだんに使ったコース料理を楽しめます。ご夫婦の記念日などに活用するのも良さそうですね。
懐かしの乗り物を堪能する
梅小路公園には、かつての京都市電の車両が保存されています。

実際に市内を走っていた車両が園内に置かれているほか、明治時代の貴重な車両が復元された市電展示室もあります。

土日祝日や夏休みの時期には、園内を「チンチン電車」が運行するので、乗り物好きのお子様と一緒にぜひ乗車してください。
また、昔懐かしいプラットフォームが再現された「市電広場」もおすすめです。

市電の車両内を無料休憩所として使えるほか、市電カフェで軽食や、市電ショップでグッズのお買い物も楽しめます。
イベントに参加する
「七条入口広場」は、マルシェやフェスなど、年間を通してさまざまなイベントが開催されるスポットです。地域の子どもたちが参加するような催し物もあり、梅小路エリアの活性化につながっています。

そのほか、自然観察会やウォーキング、菜園教室などが園内のあちこちで企画されているので、ぜひチェックして暮らしに取り入れてください。
便利な日常と充実したレジャーが叶う梅小路エリアでアクティブな暮らしを
今回は、梅小路エリアの魅力やおすすめスポットをご紹介しました。
古くから都の玄関口として重要視され、時代に沿って変化してきた梅小路エリア。
京都駅に近い抜群の利便性と、レジャースポットとしての顔を併せ持つこのエリアでは、快適でアクティブな暮らしを満喫できるのではないでしょうか。
本記事でご紹介したスポットを参考に、ぜひ梅小路エリアを歩いて、この地域の魅力を確かめてみてください。
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